材料特性
BIOMECHANICAL TEST MATERIALS
BIOMECHANICAL VALIDATION STUDIES
標準的なコンポジットボーンの材料特性
標準のコンポジットボーンの外部はガラス短繊維が充填された「ショートファイバーフィルドエポキシ」皮質骨、内部は17 PCFの「ソリッドリジッドポリウレタンフォーム」海綿骨で構成されています。
皮質骨シートおよび皮質骨シリンダーの材料特性
皮質骨シート及び皮質骨シリンダーのエポキシ樹脂にはショートグラスファイバー(ガラス短繊維)が充填されており、固定具や全関節置換術の構造試験において、皮質骨の代用として使用されます。皮質骨シートはエポキシ樹脂を板状に加工したもので、皮質骨シリンダーはエポキシ樹脂を中空円筒状に加圧成型して作られます。材料特性は一貫して均一ですので、人体の皮質骨と同様の力学的特性が要求される試験、医療機器、計測器、ボーンスクリュー、ボーンソーなどの比較テスト材料に適しています。
皮質骨シートは7種類(1~10mm)が用意され、皮質骨シリンダーの長さは3種類(110mm、150mm、500mm)、中空円筒の外径は7タイプ(10mm~74mm)です。また、皮質骨シリンダーはご希望に応じて、ソリッドリジッドポリウレタンフォーム、セルラーリジッドポリウレタンフォーム、オープンセルリジッドフォームを充填することができます。
海綿骨ブロック(ポリウレタンフォーム試験材料)の材料特性
海綿骨ブロック(ポリウレタンフォーム試験材料)は、整形外科用のインプラント、器具及び計測器の試験において、キャダバの代替として使用されます。この海綿骨ブロック(ポリウレタンフォーム試験材料)は、均一で一貫した物理的特性を呈するため、キャダバを使用する際に見られるような変動性が少なく、特別な取り扱いを考慮する必要がありません。これらの製品の一般的な用途は、ボーンスクリュー、ステープル、骨固定器具の比較試験及び開発試験です。
海綿骨ブロック(ポリウレタンフォーム試験材料)は横等方向性です。垂直方向に関しては、ブロック成型時に生じる現象に起因して、部位によって質量に若干の差異が生じることがあります。従いまして以下に記載する材料特性は、特記がない限り、ブロックの厚み(通常は40mm)の上面に対して平行に使用する場合の特性となります。
密度が20PCF以下のリジッドフォームにおいて、上面から垂直方向の試験をする場合は係数(modulus)が25%、強度(strength)が5%、減少する場合があります。試験結果の変動性を減少させるには、事前に個々の試験片の密度を計測し、データ解析における共変数として使用することをおすすめします。
海綿骨ブロック(ポリウレタンフォーム試験材料)は、ソリッド型、セル型、骨粗鬆症型の3種類があります。
海綿骨ブロック(ポリウレタンフォーム試験材料) | |
ソリッド型 | Solid Rigid Polyurethane Foam(ソリッドリジッドポリウレタンフォーム) ボーンスクリュー、ステープル、骨固定器具の比較試験及び開発試験などに適しています。 |
セル型 | Cellular Rigid Polyurethane Foam(セルラーリジッドポリウレタンフォーム) 細かな独立気泡を含み、実際の生体骨、またはキャダバに近似した構造です。 |
骨粗鬆症型 | Open Cell Rigid Foam(オープンセルリジッドフォーム) 壊れた独立気泡を含みますので骨粗鬆症型海綿骨の代替品試験媒体に用いられます。 |
海綿骨ブロック:ソリッド型
Solid Rigid Polyurethane Foam(ソリッドリジッドポリウレタンフォーム)
ソリッドリジッドポリウレタンフォームは、ヒトの海綿骨の代替試験媒体として使用されます。 ソリッドリジッドポリウレタンフォームは、ヒトの海綿骨の特性を一貫して呈します。このクローズドセルポリウレタンフォームの最も一般的な用途は、ネジの引き抜きと挿入、及び締付け破断トルクの試験です。
ASTM規格のF1839-08「整形外科用器具及び機器試験における標準材料としてのリジッドポリウレタンフォームに関する標準規格」には、「リジッドポリウレタンフォームは、その均一性と一貫した特性により、ボーンスクリューやその他の医療用器具及び機器の比較試験のための理想的な材料」と記載されています。
海綿骨ブロック:セル型
Cellular Rigid Polyurethane Foam(セルラーリジッドポリウレタンフォーム)
細かな独立気泡を含み、実際の生体骨、またはキャダバに近似した構造です。
このセルラーリジッドポリウレタンフォームは、ヒトの海綿骨に近い気泡サイズを持ち、沈下、プレスフィットデバイス、骨セメント注入療法のテストに最もよく使用されます。
海綿骨ブロック:骨粗鬆症型
Open Cell Rigid Foam(オープンセルリジッドフォーム)
割れた形状の独立気泡を含みますので骨粗鬆症型海綿骨の代替品試験媒体に用いられます。
このオープンセルフォームはウレタン、エポキシ、構造用充填材(ガラス短繊維)で構成される複合材です。1立方センチあたりの気泡数は3~8で、30PCFのブロックには、オープンセルとクローズドセルの両方が含まれます。セルサイズは直径1.5〜2.5 mm程度で、泡密度の変動域は±10%となり、セルラーリジッドポリウレタンフォームと比較してばらつきがあります。
オープンセル構造、骨セメント注入が可能な構造が必要とされる場合や動的負荷試験など、特殊な試験用途に使用されます。